2014年度版のWohlers Reportによると、金属部品を造形できる3Dプリンターの売り上げが急増している。
多くの3Dプリンター、特に個人向けのものは、樹脂を使ってプラスチック製品を造形するタイプだ。金属を3D造形する処理はもっと複雑でコストも高い。3Dプリンターそのものの価格が、モデルによって100万円から1,000万円程度もする。
レポートによると、2013年に348台の金属3Dプリンターが出荷された。2012年は198台だったので、75.8%増加したことになる。主な購入者は、医療、歯科、そして航空宇宙の業者で、プロトタイプ製作と製品加工の両方に使われている。医療と歯科では製品に、航空宇宙ではプロトタイプに利用されることが多いという。
Wohlers社では、この増加傾向が個人向け金属3Dプリンターの普及につながるとは考えていない。少なくとも近い将来に家庭用金属3Dプリンターが現れることは予想しがたいという。
プラスチックの3D造形に比べ、金属の3D造形ではさらに高温が発生するため、家庭用とするには安全面で課題が残る。また、造形品からサポート素材を取り除くのにバンドソーやグラインダーなどの工具を使わなくてはならず、多くのノウハウも必要だ。プラスチックでも難しいのに、金属に挑戦する消費者はほとんどいないだろう。
金属以外も含めた3Dプリンターやサービスの市場は2013年に3,000億円を突破し、2012年と比較して34.9%増となった。