2013-11-15

3Dプリンターは、継ぎ目のない連結物体やメビウスの輪などの空想的な形を作ることができる。工芸職人たちは、それがジュエリー製作にもたらす価値を知った。

とは言え、Shapewaysのようなサービスを利用しない限り、個人で造形できる素材は一般的に樹脂に限定されてしまう。なぜなら、これまで金属を造形できる家庭用3Dプリンターが存在しなかったからだ。

そんな中、限定的な形状の金属を家庭でも造形できる3Dプリンター「Mini Metal Maker」がPueblo, Colo.によって開発され、Indiegogoサイトに登場した。Mini Metal Makerは、金属粘土(マイクロサイズまで微粒化した金属と水をバインダーと呼ばれる結合材などと混練した粘土状の素材)を溶かし、樹脂フィラメントと同様にノズルから射出する。そして、ノズルから出た金属粘土は層が積み重なるとともに固まっていく仕組みだ。造形後、最後に窯で焼くことでバインダーと水を取り除けば金属だけが残って完成となる。

現在のMini Metal Makerの精度は500マイクロンだが、開発チームは出荷までにこれを200マイクロンへ向上させる予定。MakerBot Replicator 2の精度が100マイクロンであることと比較するとあまり素晴らしいとは言えないが、金属の場合は精度はあまり重要でないのかもしれない。

Mini Metal Makerの開発者たちは、この3Dプリンターはジュエリー製作者だけでなく、時計などを趣味で作る人たちの役にも立つのではと考えている。Indiegogoのサイトでは、時計のような機器のギアを造形するビデオが紹介されていた。他にも壊れたパーツやおもちゃなど、日常生活で使われる様々な金属品の造形にも利用できるだろう。

Mini Metal Makerを組み立てるためのキットはIndiegogoにおいて約75,000円($750)で販売中。組み立て済みのものは約10万円($1,000)だ。ただし、窯は自分で用意する必要がある。キャンペーン目標の約100万円($10,000)を達成できるかどうかにかかわらず、出荷は2014年の9月に始まる予定となっている。

参照: http://www.businessweek.com/articles/2013-11-13/a-sub-1-000-3d-printer-for-metal