2015-04-28

製造業者にとって部品の旧式化問題は大きな頭痛の種だ。

修理に必要な部品が在庫不足あるいは生産終了ですぐに手に入らない場合、その取得に時間がかかればかかるほどコストは増大する。まさに「時は金なり」だ。そのため、各製造業者はそれぞれ部品の在庫管理に取り組むことになる。1つの方法は旧式化した部品を万が一の保険として集めておくことだ。しかし、そういった部品を大量に保管するには、高度な在庫管理システムが必要となる。

そこで今注目されているのが、3Dプリンターだ。3Dプリンターで部品を製造できるのであれば、その3Dデータさえ保管しておけば済む。後は必要になった時に必要な分だけ製造すれば良いのだ。自前の3Dプリンターで製造しても良いし、近くの3D印刷専門業者に依頼することもできるだろう。そうすることで、大量の部品を保管しておくスペース、高度な在庫管理システム、そして万が一欠品していた場合に取り寄せにかかる時間、といったコストを削減できる。

では3Dプリンターがあれば部品の旧式化問題は全て解決だろうか?

部品によっては3Dプリンターで製造できないものもあるかもしれない。例えば現在、素材として樹脂や金属を利用できる3Dプリンターがあるが、まだ対応できていない素材や、複数の素材が混ざった部品も存在するだろう。

また、そもそも部品の3Dデータがなければ意味がない。データを公開すると簡単に複製できることになってしまうため、部品メーカーにとっては公開するメリットが少ないのではないだろうか?

3Dプリンターで部品の旧式化問題は全て解決、とはいかないとしても、役立つことは間違いないだろう。

参照: http://3dprint.com/60963/3d-printing-obsolete/